たまった写真たち、思い切って生前整理してみませんか?

エンディング・スタイル vol.441
【月曜日】相続準備

“たまった写真たち、思い切って生前整理
してみませんか?”

終活を考える際、悩ましいものの筆頭に挙げ
られるのが写真やアルバム類です。

そこで今回はエンディングノートを使った、
『アナログ写真の整理保存法』を紹介します。

ポイントは、写真群を3つに分類すること。

・メジャー
・1軍(スタメン、補欠)
・戦力外

に分類し、扱いに差をつけることです。

下記の方法をご自分のやりやすいようにアレ
ンジして実施してくださいね。

【用意するもの】

・アルバム 1冊

・スキャナー

・保存用の箱または
不透明の袋 1個

・廃棄用の箱または
不透明の袋 1個

・記録媒体
(USBメモリ、SDカード、CD、
フラッシュメモリ、ブルーレイ、
外付けハードディスクなど何でもよい)

・クラウドの記録媒体
(ドロップボックスなどデータを保存できる
サービスのアカウント)

・エンディングノート1冊

【手順】

1.写真全体を1ヶ所に集めます。

2.全体の山の中から<メジャー>を選び
別置きします。

メジャーの数は少ないほどベターです。
(アルバム1冊分程度)

特に、自分の死後も家族に保管してもら
いたい場合は、極力枚数を抑えましょう
(2~30枚まで)

3.<戦力外>専用の箱(または袋)を用意
します。
<戦力外>はすべてこの箱(袋)に入れます。

この際、分類はしなくてよいので、家族
の目に触れないように処分します。

4.<1軍>をスタメンと補欠に分ける。

たとえば旅行の写真、同じ背景、同じポーズ
で2枚、3枚撮ったりしていませんか?

その場合は最高の1枚だけを選びましょう。

もっと頑張れる!という方は、たとえば
3日間の旅行なら、1日につき1枚だけ
を厳選するというのもよいですね。

枚数が多い上、それぞれに思い出が詰ま
っていますから、苦しい作業になりますが、
ここが山場です。

せっかく行動を起こしたのですから、
「大半を捨てるのだ」
というつもりで取り組みましょう。

スタメン専用の箱(または袋)をひとつ
用意します。

5.<1軍>の補欠たちに「ありがとう」
とお礼を言って、箱か不透明の袋にまと
めて入れ、ゴミの日にそっと出します。

6.<1軍>のスタメンたちをスキャナーで
ざくざくスキャンしていきます。

この時、年代やイベント、撮影した順番
などは気にせず、どんどん処理します。

見直す機会はほとんどないし、見直すの
はおそらく自分です。

いつ、どこで撮影したのかは、時代順に
並んでいなくても、大体わかるはずです。

いつか見直すかどうかわからないのなら、
そこに時間をかけるのは得策ではありま
せんから。

7.<1軍>スタメン写真の現物を専用箱
(または袋)に入れ、『写真』と大きく書き
押入れか物置にしまいます。思い切って捨て
てもかまいません。

8.6.でスキャンしたスタメンのデータを
記録媒体に保存します。

9.8をどの媒体に記録したか、エンディング
ノートに記入します。

SDカードやUSBメモリの場合、その
しまい場所も記入します。

ドロップボックスなどのクラウドサービス
に保存した場合は、IDやパスワードを
エンディングノートに忘れず記入しましょう。

アカウントを家族と共有しておくことで
閲覧権利の相続手続きなどの問題を避け
ることができます。

10.自分の死後、画像データをどのよ
うに処理してほしいのかもエンディング
ノートに書きましょう。

【分類のコツ】

【メジャー・1軍・戦力外】

<メジャー>
イベントや年齢に関係なく、最期まで大切に
したい選りすぐり。

・最高に良い表情で写っているもの
・自分の人生を象徴するようなもの
・子孫に受け継いでもらいたいもの
・家族の幸福に結びつきそうなものなど。

子どもや家族に引き継いでもらいたい場合は、
負担にならない程度の枚数(アルバム1冊に
収まる2~30枚)に抑えましょう。

<1軍>大切だがたくさんある写真たち。

・旅行(観光地・宿・風景など)
・家族(初詣・運動会・日常のスナップ)
・結婚式・披露宴・新婚旅行
・親族の集合写真(冠婚葬祭・正月など)
・学生時代(修学旅行等)
・入学式・卒業式など
・就職後(入社式・慰安旅行など)
・独身時代(海外旅行・同窓会など)
・子ども(大量に撮りためた成長記録)
・ペット(共に過ごした幸せな日々)
・フイルムを使い切るために撮ったもの

<戦力外>家族に絶対見られたくない写真。

・昔の交際相手との写真
・羞恥心をあおる写真
・その他不名誉なもの