”今だから求められる『市民後見人』のすすめ”

エンディング・スタイル vol.427

【月曜日のテーマ】相続準備

“今求められる

市民後見人って何?”

成年後見人という言葉

を頻繁に目にするよう

になりました。

皆さんご存じのとおり、

成年後見人とは、

『事理を弁識する能力

を欠く状態の成年者を

保護する人』です。

事理を弁識する能力と

は、これをするとどう

なるか、自分にとって

損か得かなどの判断が

できない、というよう

な意味合いです。

具体的には、認知症の

人、病気で意識が混濁

している人、精神の病

を患っている人等です。

大分市を例にしますと、

平成27年の時点で、

認知症の高齢者数は

約19,100人と推

計されます。(内閣府の

HP資料から推計)

● 大分市の人口

478,880人

(平成29.4月末)

● 大分市の高齢者人口

121,691人

● 大分市の高齢化率

25.41%

● 大分市認知症高齢者

約19,100人

(有病率15.7%の場合)

高齢化率は今後さらに

上昇し、それに伴い、

認知症患者が爆発的に

増えることが危惧されます。

認知症の高齢者を守る

ためには、国や地方自

治体、家族、地域が力

を合わせて支えあって

いくことが大切です。

その活動は大きく2つ

に分類されます。

ひとつめは、生活面。

介護施設や医療機関の

活躍が必要です。

ふたつめは権利や財産

を守るため、預貯金や

不動産などの資産管理、

日々の入出金の手助け、

医療や介護の手続き補

助などです。

そしてそのふたつめを

支えるのが成年後見人です。

成年後見人は、以前は、

家族が担うべしとされ

ていました。

ところが、家族や親族

だと、悪気はなくても

ついついドンブリ勘定

になり、きちんと管理

できないケースが多々

ありました。

また、被後見人(後見

される人)の財布と自

分の財布がごっちゃに

なってしまい、被後見

人のお金を使い込んで

しまうという問題も多

発したため、弁護士や

司法書士などの法律専

門家に任せるべきとい

う流れに変わりました。

ところがここ数年、専

門家による不正が多数

発覚して大問題となり

ました。

家族のドンブリ勘定よ

り不正金額が大きく、

1件あたりの平均使い

込み金額が1千万円近

くといわれています。

それでも発覚した不正

は氷山の一角だという

説もあり、成年後見人

の育成が喫緊の課題と

なりました。

そこで出てきたのが、

『市民後見人』です。

『市民後見人』とは、

ボランティア精神のあ

る市民を成年後見人と

して養成し、必要な知

識と倫理観を身につけ

てもらい、地域の高齢

者保護活動に積極的に

参加してもらおうとい

うものです。

高齢者の暮らしや権利

を守る『市民後見人』

の話題が今後あちこち

で聞かれるようになる

日も近いと思われます。

認知症高齢者は将来の

自分の姿でもあります。

親御さんの後見をする

ことになった場合にも

知識が役に立つと思い

ますので機会があれば

『市民後見人』を引き

受けてみてはいかがで

しょうか。