“高齢者の運転卒業をできるだけスムーズに後押しする方法”

エンディング・スタイル
vol.415
【水曜日】人と暮らし

“高齢者の運転卒業を
できるだけスムーズに
後押しする方法”

高齢者の自動車事故の
ニュースを目にすると、
なかなか難しい問題だ
なあと感じます。

私自身、毎日運転して
いて、車のない生活は
考えにくいからです。

誰でも年齢を重ねると
様々な変化が現れます。

典型的なものが認知症。

認知症にもいろいろな
種類があり、
・ アルツハイマー病
・ 血管性認知症、
・ レビー小体型認知症
・ 前頭側頭型認知症
など症状も異なります。

お父さんお母さんや
自分自身も、
「認知症かも」と
心配になった時には
下記の項目を参考にして
みてはどうでしょうか。

【大事な対応3つ】

■ 本人の安全確保

運転する本人や家族が
運転が危険だと感じたら
認知症であるかどうかに
かかわらず、運転継続は
望ましくありません。

■ 正確な診断・病気の理解

できるだけ早く医療機関で
受診して、正確な診断を
受けましょう。

■ 本人にとっての
「運転の意味」の理解

日常生活に必須→
替わりとなる運転手段や
支援を探しましょう。

生きがい・楽しみ→
別の楽しみや生きがい
を一緒に探しましょう。

自立を示す行為→
これまでの運転に対し、
感謝や敬意の気持ちを
伝えましょう。

【運転中止後】

■ 本人が忘れてしまう
ことを防ぐ

主治医に「運転中止」に
ついて文書を書いてもらい
玄関など目につくところに
張りましょう。

■ 本人の努力と判断に対し
言葉をかけてねぎらう

「これまで送り迎えして
くれてありがとう」
「これからは代わりに
運転するよ」など

【今からできること】

■ 家族と本人で、
将来の運転卒業について
思いを話し合っておくと、
いざ危険を感じた時に
スムーズな判断に
つながりやすいです。

■ 運転が趣味、生きがい
という人には、早いうちに
新しい趣味や生きがいを
探し始めましょう。

今日の記事は、
下記を参考にしています。

「認知症高齢者の自動車
運転を考える家族介護者
のための支援マニュアル©」
国立長寿医療研究センター
長寿政策科学研究部
http://www.ncgg.go.jp/department/dgp/index-dgp-j.htm

日本経済新聞(くらし)
2017年5月30日(火)
編集委員 辻本浩子氏