”死後離婚(姻族関係終了届)の届出方法”

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vol.423
【木曜日】法律や税金

“死後離婚の届出方法”

『死後離婚』という言
葉が注目されています。

これは配偶者が亡くな
ったあと、相手方の親
族と法的に縁を切る行
為のことをいいます。

配偶者の親族のことを
姻族と呼びます。

この制度は正式には、
『姻族関係終了届』を
役所に提出することに
よって、いとも簡単に
完了できます。

この制度を利用するの
は圧倒的に女性が多く
なっています。

姻族関係を終了すると、
姻族との関係は白紙に
戻り、赤の他人という
ことになります。

よって、義親の介護や
親戚づきあいから解放
されますし、配偶者の
家のお墓にも入らない
ということになります。

また姻族関係を終了し
たからといって配偶者
との関係が消えるわけ
ではないため、相続や
遺族年金を受け取るの
に支障はありません。

こうしてみると、姻族
との関係が良くない人
にとってはメリットの
多い制度であり、最近
この制度を利用する人
が徐々に増えているの
もうなづけます。

かつて結婚とは、家と
家の間で結ばれる同盟
関係のような意味合い
がありました。

女性は結婚して相手の
家に嫁に入ると、その
家の一員としての役割
を果たすことが当然と
されていました。

ですからたとえ夫が亡
くなっても、義理両親
の老後の世話や介護を
するのは当たり前のよ
うに扱われてきました。

でも、核家族制度が進
んだ昨今、夫の死後も
嫁として生涯を捧げる
必要はないんじゃない
か、夫が亡くなった後
は、妻は新たな人生を
送っても許されるので
はないかと言えるよう
になってきたというこ
となのでしょうね。

ただ現実にはそれほど
さらっとしたものでは
ないようです。

配偶者の生前、義両親
や配偶者の親戚と良い
関係ではなかった、外
から入った人間として
家業を手伝ったり介護
に努めたりしたにも関
わらず、人格を認めて
もらえなかった、金銭
面で迷惑をかけられた
など、やむに止まれぬ
事情を抱えた人が少な
くないようです。

寂しいといえば寂しい
ことではありますが、
嫁に来たのだから義親
に尽くして当然という
態度や関わり方でなく、
1個の個人として深い
人間関係を結んでいく
努力が必要になってく
るということでもあり
ます。

また、配偶者亡きあと、
姻族関係を終了した自
分が高齢になって、子
が不幸にして先に亡く
なってしまった場合に、
子どもの配偶者から姻
族関係を終了されても
かまわないという覚悟
は必要かもしれません。

いろいろと考えさせら
れる制度ですね。