エンディング・スタイル vol.442
【火曜日】医療・介護
“リビングウィルとは? ”
“リビングウィル”のつづりは“living will”、
つまり、“生きる意志”ということです。
将来、病気や事故、老衰などで自分の意思を
表明できなくなったときに、どのような終末
医療を望むのか、元気なうちに意思を表明し
ておくのがリビングウィルです。
大切なのは、どう死ぬかを考えるのではなく、
あくまでも「人生最後の日までどう生きるか」
をあらかじめ選択して、表明しておく点です。
その選択をするためには、これまでの人生を
振り返り、これからの生き方を改めて考える
作業が必要になります。
例えば心臓発作や脳卒中で意識がなかったり、
交通事故による怪我で意識不明で、救急車で
病院に運ばれた場合、
終末医療の意思表示をしていない場合、病院
は救命処置や延命治療を懸命にしてくれます。
その場に家族がいれば、治療方法について家族
の合意を得た上で処置をすることになります
が、家族がまだ到着しないなど、差し迫って
許可や合意を得る猶予がない場合は、医師の
判断で処置されます。
仮に本人や家族の合意がなくても、一旦胃ろ
うや人工呼吸器などを始めてしまうと、途中
で装置を外すことは許されません。
ですから、家族には、日ごろからしつこい位
に意思表示をしておく必要があります。
意思表示の方法はいくつかありますが、ここ
では4つご紹介します。
①エンディングノート
②リビングウィル
③尊厳死の宣言書
④公正証書
ただし、4つのうち、法的効力があるのは
④公正証書だけです。
日経新聞2017年2月2日くらし面から、聖路加
国際病院が作成した、
「私のリビングウィル自分らしい最期を
迎えるために」に記載されている4つの項目
をご紹介します。
①人工呼吸器など生命維持のため最大限の治
療を希望する
②胃ろうなど継続的な栄養補給は希望する
③点滴など水分補給は希望する
④水分補給も行わず、最期を迎えたい
といった選択肢とともに患者本人や家族の署
名欄を設けてあります。
以上、
参考になれば幸いです。