『今日から成年後見人になりました』

エンディング・スタイル vol.440
【日曜日】図書の紹介

“今日から成年後見人になりました”

成年後見制度とは、被後見人(後見される人)の、
・権利の擁護
・身上の看護・保護
を、目的としています。

噛み砕いて言いますと、高齢や病気などにより
日常生活が難しくなってきた人の生活、健康、
財産、権利を守り、心豊かな、あるいはこれ
まで通りの生活が成り立つように支える活動
のしくみのことです。

親が高齢になってきた。

考えたくはないけれど、いつか必ずやってくる
もしもの日のために、何かしておかないと、
とは思うが、どこから手をつけたらよいのか
わからないという方は少なくないと思います。

でも、ちょっと待ってください。いつか旅立
ってしまうその前に、介護や入院、終末医療、
看取りなど、子どもとしてやるべきことが、
実はたくさんあります。

寝たきりや入院にならなくても、判断能力が
衰えたり、認知症などを発症した場合のこと
も考えておく必要があります。

認知症が進むと、お金の管理ができなくなっ
たり、同じものをいくつも購入したり、必要
ない高価なものを購入させる高齢者を狙った
悪徳商法に狙われる可能性も高くなり、日常
生活を支える必要が出てきます。

またお金の管理という点で言うと、高齢者の
銀行口座から現金を引き出そうとすると、た
とえ口座名義人本人からの依頼であっても、
金融機関の窓口で断られてしまうケースが、
よくあります。

このような場合、金融機関から、あらかじめ
成年後見人である証明書の提出を求められる
ことが増えてます。

後見人でない場合は、
後見人になるよう求められます。

また入院や手術をするときの医療契約や、介
護施設や高齢者施設等に入所する際の契約事
も、本人に判断能力がない場合は、成年後見
人が本人を代理して契約することになります。

また成年後見人は、定期的に活動内容を報告
する義務があります。

法律について書かれた書籍は用語が難解で、
素人には理解しづらいことが多いのですが、
今回紹介する、
『今日から成年後見人になりました』は成年
後見人とは何か、後見人就任のための手続き
方法や、後見人としてできる事、できない事、
報告のルールなどについて、わかりやすく説
明されています。

また法定後見人と任意後見人の違いについて
も、基本から説明されており、初心者に親切
な、読みやすい構成になっています。

身近に高齢の人がいる、制度の概要を知りたい、
という方にお勧めです。