”終活の資産運用、毎月分配型投資信託の問題点とは”

エンディング・スタイル
vol.431
【金曜日】お金と資産

“毎月分配型投資信託
の問題点とは?”

恐れていたことが
ついに現実のものと
なりました。

毎月分配型投資信託
が購入される額より
売却される額が大きく
なったのです。

投資信託は、上がり
調子の時はそこそこ
の利益が出ますが、
一旦下がり始めると、
その流れが止まって
反転することはまず
ありません。

少なくとも私は一旦
下がり出した投信が
大きく反転するのを
見たことはありません。

それは当然のことで、
なぜかというと、(こ
こからは私の私見です)

投資信託を顧客が売却
すると、解約金を返す
ために投資信託に組み
込まれた株式(REI
Tの場合は証券化され
た不動産の賃料債権な
ど?)を売却すること
になります。

その際、以前より値が
上がっているものが優
先的に売却されると私
は考えています。

ということは、解約す
る顧客がたくさん出て、
解約する顧客にお金を
返すために売却する銘
柄の中に上がっている
ものが多ければ、後に
は上がっていない、あ
るいは下がっている、
将来も上がる見込みが
薄いと思われる銘柄が
増える一方のはずです。

この投資信託の内容を
より魅力的な構成に入
れ替えるためには、上
がりそうな銘柄を買増
しする必要があります
が、その資金を出すの
は投資家です。

下がり始めた投資信託
に資金を投入しようと
する投資家は当然です
があまりいません。

ということは、購入よ
り売却が勝っている投
資信託に大量の資金が
追加投入されることは
非常に稀だと考えて良
いでしょう。

つまり、一旦売却の流
れができてしまった投
資信託は、ずるずると
下がり続けるしかない
のです。

証券会社としては、い
つまでもそんな商品(
投資信託)に手を取ら
れるより、さっさと新
しい金融商品を売り出
して顧客に買わせよう
とします。

つまり、下がりだした
投資信託は放置状態に
なり、改めて力を注ぐ
ことはないでしょう。

少なくとも私がこれま
で見ている限りそうと
しか考えられません。

それでは、
2017年7月17日
日経新聞1面から引用
します。

~以下引用~
収益の一部を月々受け
取れる「毎月分配型」
の投資信託から投資家
離れが加速している。

投資信託協会によると、
毎月分配型投信は1~
6月に202億円の資
金流出となった。

流出はデータのある2
010年7~12月以
降で初めて。以前は投
信の最大の売れ筋商品
だったが、金融庁が資
産形成に不向きだとして
問題視したことなどで
販売が落ち込んでいる。

資金流出額は投信の購
入額から売却・償還額
を引いた値。1~6月
は購入額が前年同期比
7%増の5兆3445
億円だった一方、売却
・償還額が25%増の
5兆3647億円とな
り、差し引き202億
円流出した。

15年1~6月には資
金流入が3兆円を超え
たが、その後流入が細
っていた。

資金流出が目立つのが
海外不動産投資信託(
REIT)で運用する
商品だ。

金融庁の意向を受け証
券会社や銀行が販売自
粛に動いたのに加え、
米長期金利の上昇など
運用環境が悪化。

分配金引き下げが相次
ぎ、最大規模の「フィ
デリティ・USリート
・ファンドB(為替ヘ
ッジなし)」の純資産
残高は6月末で約1兆
3000億円と半年で
3000億円強減った。

投信は運用で得た収益
を再投資することで
「複利効果」が発生す
るが、毎月分配型は分
配金を支払うため複利
効果が得にくい。

一部では投資元本を削
って分配金に充てる商
品もあり、金融庁が
「顧客本位ではない」
と批判していた。

QUICK資産運用研
究所によると、以前は
追加型株式投信の資金
流入型ランキングで上
位10本のうち毎月分
配型が8~9本を占め
たが、足元では3~4
本に減少。低コストが
売りの指数連動商品な
どに取って代わられて
いる。
~引用おわり~

毎月分配型投資信託の
恐ろしいところは、毎
月分配金がもらえて有
利だと投資家は勘違い
していますが、実はそ
の分配金は、投資家本
人が出資した元本を切
り取って返金している
だけなので、元本が徐
々に減っているのです。

預けたお金を分割で返
してもらっているだけ
なのに、利子なり配当
なりをもらっていると
誤解しているケースが
非常に多く、そこを敢
えて投資家に理解させ
ないまま販売している
のではないかと思われ
る節がありました。

だから金融庁が批判し
たのです。

投資するなら人任せに
せず、自分で研究して
リスクを取るのが最終
的には一番安全です。